誰でもレゴを仕事にできる?LEGOワークガイド:フリーランス編

レゴブロックを使った制作の仕事をする方法は?

今回のレゴブログ「アレゴレNEXT」は、前回のポスト「レゴを仕事にしたい人必見!LEGOワークガイド:関連企業編」に引き続き、フリーランス編をお届けします。
前回の記事で判ったことは、「レゴブロックを使った作品作り」を仕事にするためには、就くためには英語はもちろんのこと、様々な難関が待ち受けていることでした。
また、関連企業で働ければ十分ということであれば、仕事のチャンスがあることもわかりました。

でも、本当にそれでいいのでしょうか?
たしかに、関連企業で働けばそれなりに楽しいレゴライフが待っているとも思います。
週末に「社割」などで安く購入した商品を組んだり、サンプルで回ってきた新製品を人より先に触れるチャンスもあるかもしれません。

ですが、もし本当にやりたいことが、レゴブロックを使ったアーティスト的な活動であるなら、その夢を追ってみてはいかがでしょう?
そう「やりたいこと仕事であれば、自分で始めればいい」のです。
ひと昔前であれば、鼻で笑われたことかもしれません。
しかし、近年では様々なジャンルの人が、インターネットを活用してフィールドをつくり、フリーランスとして活動しています。
そして、実際に「レゴブロックを仕事」にしている人もいるのです。
就職するために必要なのは「会社から選ばれる」ことですが、フリーランスでやるなら「自分で決心」するだけで始められるのです。

……と、オヤジの説教なみにウザくなりそうなので、早速レゴブロックを使った、フリーランスの仕事を紹介しましょう。
今回は、仕事内容別に分けてみました。
なお、フリーランスか起業かは、大きな差は法人登録するかしないかの差です。
また、仕事が来るかこないかは別の話なので、そこはご注意ください。

レゴブロック作品の制作依頼を受ける!

レゴオリジナル作品

企業や個人からの依頼で、レゴブロック作品制作をする。
なんとも、アーティストっぽくて惹かれる仕事内容ですね。
画像は、私が「広島ガス」様より依頼されてつくったジオラマです。
このときはサイズが大きくて大変でしたが、今ではよい想い出です。

しかし、「何でもいいからアナタの作品がほしい!」……なんてことは、まずありません。
作りたいものを作って、お金が貰えるわけではないのです。
依頼されるのは、相手の意向に沿った作品ですから、依頼内容によっては、アナタの苦手なジャンルがあるかもしれません。
しかし、お金をいただく以上、苦手であってもキチンとクオリティを保証すること。
そして、必ず締め切りを守ることが大切です。
もちろん、大病したり、事故にあったりすれば別ですが、仕事が忙しいとか、風邪を引いて体調不良……などの言い訳はできません。
これが、守れないのであれば、仕事を受ける資格はないと考えるべきです。
また、クライアントとの打ち合わせやギャラ交渉なども、大事な部分です。
このあたりも重要な要素なので、ビルダーとしての能力以外のスキルも必要になってきます。
フリーランスは会社が守ってくれるわけではありませんから、全て自分でやらなければいけないのです。
ですから、「なれる」かもしれませんが、本当の意味で仕事にするためには、結構大変です。
なお、制作依頼を受けるためには、以下の二つの道があります。

LEGO certified professional(レゴ認定プロビルダー)

現在、社外レゴビルダーの最高峰とも言えるのが、三井淳平さんが認定されてい「LEGO certified professional」です。
日本では判りにくい名前なので「レゴ認定プロビルダー」と名乗られています。
この仕事は、デンマーク本社から「レゴの名前を使って仕事していいよ」的なお墨付きを得た職種です。
本社からは、パーツの購入をはじめ、様々なバックアップを得て活動できます。
しかし、この認定を受けるには、さまざまな難関があります。
例によって、英語はもちろんですが、他のビルダーの推薦が必要だったり、枠もそれほどなかったりと、フリーランスとしての活動とはいえ、本社に就職することなみに難しいといえます。

アマチュアビルダー

上記したように、プロビルダーになるのが困難であれば、アマチュアビルダー(肩書きは自由)として活躍してはいかがでしょうか?
私もアマチュアながら制作依頼をいただくこともあります。
もちろん、三井さん並の大がかりな仕事は少ないですが、作ったものを納品して相手に喜んでいただくと嬉しくなります。
しかし、アマチュアビルダーの場合、仕事を得るための営業活動も必要ですし、作品を依頼されるだけのビルダーとしての信用も勝ち取らねばなりません。
たとえば、私の場合は「TVチャンピオン」の出演経験や「ビルダーバイブル」などの書籍執筆、「レゴアンバサダー」としての活動など、さまざまな実績があることが仕事依頼につながっているのです。
したがって、仕事の前に実績をつくる必要が出てくるのです。
また、依頼作品のサイズによっては、パーツ入手も大変です。
設計していたら時間が間に合わないかもしれないですし、アバウトに注文すると足りなくなる恐れもあります。
ですから、イザというときのためにパーツの在庫をふんだんに持っていたほうが安心です。

レゴブロックのオリジナル作品を頒布する!

レゴ頒布モデル

今回のド本命がこのレゴブロックでつくった「オリジナル作品を頒布(はんぷ)」することです。
頒布とは、同人業界用語で「有償・無償に関わらず、不特定多数にの物品を譲る」行為を指します。
細かいことはさておき、自分で考えたオリジナルモデルを商品として売ることと同じです。
ですから、誰れからの横やりもなく、ただひたすら自分の作品愛をぶつけた商品を制作すればいいだけです。
まさに、夢見たとおりの仕事かもしれませんね!

ですが、もちろん課題はあります。
まず一番重要なのは、作品そのものに魅力がなければ、売れない可能性があることです。
そこで、売れる作品をつくるためには、ビルダーとしてのデザインセンスが問われることになるのです。
しかし、これまで自分では完璧だと思っていた作品が売れ残れば、精神的なダメージは計り知れません。
もちろん、売れなかった原因として、クオリティにこだわったばかりにレアパーツが増え、製品価格が高くなったのかもしれません。
ですが、売れるモデルであれば多少高くても売れるものです。
少なくても、自分が付けた値段の価値が認められなかったことは、真摯に受けとめるしかありません。
実際、画像はモコさんのオリジナルロボのセットですが、1万円近くするにも関わらず初期ロットは完売してしまい、セカンドロットで購入させていただいたほどです。

なお、売るための準備としては、パーツを入手したりインストラクションの制作が必要です。
モコさんの商品のように、パッケージまで作ってあると、よりリアルになります。
また、版権モノを取り扱いには許可が必要になります。
版権モノは、ワンダーフェスティバルなどであれば、きちんと申請すれば許諾を得ることもできますので、もし版権モノを頒布したい方はキチンと権利を取得しましょう。

余談ですが、もしかするとこの方法は、レゴ社の見解としてはグレーゾーンかもしれません。
考え方としては、たとえば同じようなロボットの商品がある場合、競合製品になるからです。
まあ、元となるパーツはレゴ社から購入しなければいけないわけなので、どこまでが競合かはわかりませんが、理由としては理解できます。
しかし、インストラクションだけを売ること、中古のレゴパーツだけを売ること……は問題ないようなので、同じ場所で個別に売るという手段がベストかもしれませんね。

専属ビルダーになってレゴブロックのオリジナル作品を販売する!

頒布とは異なり、ちゃんと販売するのがこちらのパターンです。
たとえば、レゴブロックの製品の組み替えを取り扱い「PlusL」では、オリジナルモデルが販売されています。
こちらは、拙著「ビルダーバイブル」にも登場いただいた、若手の筆頭ビルダーともいえるモコさんが担当しています。
また、レゴパーツショップである「StarBrick37(スターブリック)」さんでも、同じく「ビルダーバイブル」に掲載されている二階堂さんのセットや、Dr.Peisanのインストラクションなどを取り扱っています。
このような、提携ビルダーになれば、セットの準備や発送など面倒なことは依頼できる特典があります。
もちろん、収入という意味でいえば頒布とは額が減りますが、自分が売るよりも販路として確立できますし、十分トレードオフできる範疇かと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
フリーランスとして活動するのであれば、「自分のつくったオリジナル作品を世に送り出す」ような仕事も、あながち無理な話ではないと思います。
しかし、アマチュアビルダーの項目に記載したように、知名度や実績が受注や売り上げに大きく影響することは間違いありません。
また、仮に制作依頼がきたり、自分の考えた商品が売れるようになっても、それだけで生活できるほど稼げるかは別の話です。
実際、日本国内でレゴブロックの制作だけで食べていける人が何人いるのでしょうか。
恐らくは片手で足りるくらいしかいないでしょう。
ですから、ひとつの方法としては「副業として制作活動を仕事にする」という選択肢も視野に入れるといいと思います。
また、どうしてもレゴブロック関連の仕事だけで生活したい場合は、フリーでできる関連業務との組みあわせにチャレンジしてもいいかと思います。
そこで、次回はフリーでできるLEGO関連業務を紹介します。

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