今回のアレゴレNEXTでは、「TVチャンピオン第二回レゴブロック王選手権デンマークへ行っちゃうよ決戦」の話をポストします。
このオリジナルテキストは、以前アメブロでやっていたレゴブログ旧「アレゴレ」をベースにしていますが、かなり加筆訂正を加え、ディレクターズカット最終版ともいえる「アレゴレアーカイブ」として公開します。
ぶっちゃけ、まったくオリジナルテキストと似てないのは、ご愛嬌ということで(笑)
また記事としては、前回ポストした「日本のレゴ文化を一変させた「TVチャンピオンレゴブロック王選手権」の続編になりますので、お読みでない方は先に前記事をお読みください。
なお、「TVチャンピオン」記事を書いたら、本家の放送が復活したのでちょっとビビりです(笑)
少しだけ、テレ東に気をつかいながら裏話を書いていきますよ!
販促効果に気を良くして「第二回レゴブロック王選手権」の企画がスタート
前回紹介した「TVチャンピオン 第1回レゴブロック王選手権」が2005年1月27日に放映された結果、かなりの営業貢献をし、以降レゴジャパン内では「困ったらテレビチャンピオン」くらいに神格化されました。
そのため、放映からわずか数ヶ月で第二回の企画がスタート、拡大した予算を元に「決勝はデンマーク」という大スケールで開催することになったのです。
選手集めは「前回に比べて難航しない」……はずだったのですが、決勝に進んだ場合はデンマークに1週間くらい行くことになります。
2週間くらい缶詰にされる「アメリカ横断ウルトラクイズ」に比べればたいしたことなく感じますが、今回は「予選」→「決勝」というプロセスのため、1回勝てば即デンマークです。
そうなると、基本的に社会人は二の足を踏みます。
そんな悪条件のおかげで、当時はレゴ歴の浅かった私のところにも「クリブリのコンテストで2連続入賞している」というだけでお話がやってきました。
そもそも、第一回の放送が終わった後に「次があったら自分も出たいという」とか言ってた気がしますので、私の携帯へレゴ友の「田中としや」さんからの連絡があったときは「まさか」の思いがありました。
しかし、「勝てばタダでデンマーク」というエサにまんまと釣られ、出場を決心しました。
ほかのメンバーは、今をときめくレゴプロ「三井淳平」さんや、最小限の部品数で何でもつくれる「田中としや」さん、テクニック系のベテラン「高橋良一」さんの3名。
前回優勝の「秋長さちこ」さんは、シード選手としてデンマーク行きが確定しており、私を含む4人が予選を戦うことになったのです。
テレビの企画って大変?
出版業界にいた私ですが、テレビ出演などはしたことありません。何度か出演した「アメリカ横断ウルトラクイズ」でもしかすると後ろに写ったかもしれないことや、「ズームイン朝」で後ろに移ったくらいです。
そこで、どのように進むのか? 当日どうすればいいのか? まったくわからないままスタートしました。
まず、大変だったのが、作品のコンセプト企画だしです。
前回、ちらっと書いたように、同じような作品が集まると絵面的によろしくありませんので、まずは「どんな作品をつくるのか」「どのようなギミックや見せ場があるのか」をイラストやテキストベースで渡してチェックを受けます。
今回の予選ラウンドでは「ダジャレ動物」とのことで、作りたい動物というだけでなく、ひとつ捻りを入れなければいけません。
そこで、さまざまなアイデアを出したのですが、一向にOKがでません。
高校生で比較的時間のある三井くんがラフ案のOKを貰いサンプルを制作している時期に、社会人でまったく時間のとれない自分がラフ案をずっと考えているのですから、すでに赤信号です。
NGをくらい続けたころのテキストがあるのでちょっと紹介しますと
「タイトルですが江戸風太です。これはカンフー太がOKとの点から、江戸人もOKだろうと判断し、江戸風とかけたものです。
ご存じのように、近年「江戸ブーム」ですので、まあ「旬」のひとつといえましょう。
ビルド的には、デフォルメしたノーマルの風太に、江戸時代の職業の服を着せます。
これを7種類くらい用意し、着せ替え版「風太」を作ろう! ということです
これ以上ラフで長引くと、パーツの入手含めてちょっと完成あやういです。
そこで、もしNGであれば、ぜひ「ホリエモンキー」で勝負したいです」
というメールを打っていました。
ですが、結局NGとなり更にアイデアだしを迫られます。
今思えば「ポケモン」をやりたかったのかな?とも思いますが、ダジャレがツマラナイからNGとか言われて続けても、お笑い芸人でもないので無理がありますよね?
とりあえず、皆が準備を進めるなか、一人完全に出遅れてます。
画像は、制作が決まってからの「顔のラフです。
セロテープのあとが滲んでてスミマセン。
完成品の画像と比べてみてください。
予選ラウンド「ダジャレ動物」創作決戦
撮影日当日は、身ぎれいにするため朝4時に起きてお風呂に入り、当時の愛車だったワーゲンバスを駆ってロケ地である「アンデルセン公園」へ向かいました。
かなーり眠い状態で到着すると、スタッフはすでに準備に入っていました。
選手は私しかついていなかったので、控え室で待つことにします。
しばらくすると、前日から近くのホテルに宿泊していた、田中さんと三井くんがやってきました。
写真は控え室でもワンシーンです。
高橋さんが到着すると、いよいよ撮影開始です。
「意気込み」や「感想」「入場シーン」など、前振りに使えそうな素材を色々撮影していきます。
外での一通りの撮影が終わると、作業場で制作開始です。
作業場は、選手のゼッケンカラーで分かれております。
画像では、ヒマな撮影スタッフがレゴの部品を興味津々にイジってます。
せっかくなので、田中としやさんの制作ブースを画像を貼っておきましょう。
実は、スタッフから「ブースにレゴパーツがなさすぎる!」と注意された一幕もあります。
実は、カラフルなブロックは「借り物」なので、たしかになさすぎなのです。怒られて当然ですね(笑)
撮影が始まると、思ったよりも面倒なことがありました。
一番面倒なのは「一度組んだ部分をバラして再度組むところを撮影」することです。
これは、選手たちが並行して制作作業をしていると、カメラの撮影が間に合わず、どうしても紹介したいシーンを撮りそびれることがあります。
本来は、「制限時間内につくる」というルール上で、再度制作しなおして撮影……というのはあり得ない気もします。
しかし、そこはテレビですから、ちゃんと協力していかねばいい番組は作れません。
正直かなり面倒でしたが、何とか作業を対応できました。
画像は懸命に作業を続ける三井君。
しかし、最後にプロレスのリングをモチーフにしたベース部分の作成時間が足りなくなってしまい、かなり焦りました。
作品名の「レッサーパンダーツ」には、 アントニオ猪木さんの「ダーッ」もかかっており、 レッサーがリングの上で手を挙げる必要があったのです。
ですが、結果的にはそのネタ自体放送されずじまいでしたので、無理に制作する必要もなかったかもしれません。
審査は翌日ですが、完成作品を並べてみると、結果はかなり明らかな気がします。
画像は、三井くんの「ゼブラシ」とのカットですが、私の作品は完全に背景に溶け込んでいて気配すら感じませんね(涙)
ヤケになっていたので、翌日は審査結果の撮影前に「ミリオフ」の会場に足を運び、軽く見学しました。
今回の審査員には、林屋ペー師匠もおり、 差し入れの肉まんをいただきました。
もちろん、写真も撮っていただき、よい記念になりました。
審査結果は、予想通り三井君の「ゼブラシ」が勝ち残り、決勝戦へと進みました。
サイズ感もほかの作品の5倍はありますし、上下のブラシが合体してひとつになるギミックも凝ってます。
終わってみれば、なるほど「ダジャレ動物」というのも面白い企画だったのかもしれませんね。
決勝ラウンド「開けてビックリサプライズレゴ」決戦
負けたボクらを捨てて、撮影クルーと選手一行はデンマークへと旅立ちます。
デンマークでは、現地で対決する選手との交流などがあったようで、結構楽しそうでした。
レゴランドで入園と同時にダッシュをかました三井君の姿も忘れがたいです。
決勝ラウンドは、第一回で秋長さんが作った優勝作品がテーマの元ネタになっていることが明らかで、この先の決勝ラウンドは毎回同系統のテーマが続いていくとになります。
選手がつくった作品は、以下のとおりです。
エミールさんの「フューチャーシティ」は、芸術的な要素が多い作品。まさに独創的なアートでした。
クヌーさんの「 バイキングトレイン」は、スタンダードだけで子供ウケしそうな感じ。
三井くんの「日本デンマーク友好」は、東大寺がベースのびっくり箱的モデル。
秋長さんの「アースパークへ行こう!」は、かわいい動物がアトラクションになっている遊園地です。
審査は、現地の人たちによる投票式ですが、結果は、当然のごとく秋長さんの「アースパークへ行こう!」でした。
これは、ほかの作品がダメとかいうことでなくて、万人ウケしそうで完成された世界観があり、テレビチャンピオンの「決勝モデルはかくあるべき」というのを具現化している気がします。
画像は、ボクの「ブロック玩具で遊ぼう!」シリーズの時に撮影したものです。
中のギミックがわかるように掲載しているので、興味がある方は古本などでお探しください。
そして第三回へ
決勝終了後は、浅草橋のレゴジャパンビルで、 作品単体での撮影がありました。
今回の作品以外だけでなく、プロフィール用に過去の作品も撮影していただきました。
レッサーパンダーツも、撮影に使うからと言われたので預けたのですが、返却された時には無残な姿に……。
いろいろ大変でしたが、ちゃんと普通にテレビに写れたのでそこそこ満足でした。
ですが、商品の売れ行きとしては、前回よりも苦戦したようです。
簡単な理屈としては、1時間30分の時間枠のなかで、放送中に「ちくわ笛」を紹介したり、デンマーク決戦に時間を使って、たくさんの勝負=作品が見せられないのですから、「あれ作りたい!」っていうモチベーションにつながりませんよね。
そんなこともあり、さまざまな問題を抱えつつ、第三回への企画が進行していくのです。
なお、第一回と、第三回は、以下のリンクからどうぞ!
日本のレゴ文化を一変させた「TVチャンピオンレゴブロック王選手権」